「トイザらスは日本でどうなるの?」「近所の店舗もなくなってしまう?」と気になっている人もいるのではないでしょうか。
トイザらスといえば、過去に米国事業が経営破綻し、2018年に当時の米国内店舗が閉鎖されたことが大きなニュースになりました。
さらに、日本国内でも個別店舗の閉店が行われているほか、日本トイザらスの2025年12月期決算では営業損失と当期純損失が計上されています。
こうした情報だけを見ると、「日本のトイザらスもなくなるのでは?」と不安になるかもしれません。
しかし、現時点で日本のトイザらスがすぐになくなると決まっているわけではありません。
日本では現在も実店舗とオンラインストアが展開されており、2026年には新規オープンした店舗も確認できます。
つまり、「店舗が閉店した」「赤字になった」という一部分だけでは、日本トイザらス全体の今後を判断できないのです。
| 気になる情報 | この記事で確認するポイント |
|---|---|
| 日本からなくなる? | 現在の店舗展開や公式情報から状況を整理 |
| 赤字だけど大丈夫? | 近年の売上高・営業損益・純損益を確認 |
| 米国と同じようになる? | 米国事業の経営破綻と日本事業の違いを整理 |
| 今後はどうなる? | 店舗数・業績・EC・店舗戦略など注目点を解説 |
さらに注目したいのが、日本の玩具市場そのものは縮小一辺倒ではないという点です。
日本玩具協会によると、2025年度の国内玩具市場は希望小売価格ベースで1兆1,664億円となり、5年連続で過去最高を更新しました。
少子化が進む一方、トレーディングカードやホビー、ぬいぐるみなど幅広いカテゴリーが市場を支えています。
そのため、日本トイザらスの今後を考えるうえでは、「子どもが減っているから玩具店もなくなる」という単純な見方ではなく、成長している需要をどれだけ取り込めるかという視点も欠かせません。
この記事では「なくなる」「絶対に大丈夫」といった結論を先に決めるのではなく、現在確認できる店舗情報や決算、市場データをもとに日本トイザらスの現在地を整理します。
米国トイザらスとの違いや赤字でも新規出店が行われる理由、今後チェックしておきたいポイントまで順番に見ていきましょう。
この記事でわかること
- トイザらスが日本からすぐになくなると決まっているのか
- 日本トイザらスの現在の経営状況と近年の業績
- 米国トイザらスの経営破綻と日本事業の違い
- 日本トイザらスの今後を見るために注目したいポイント
トイザらスは日本でどうなる?現時点ですぐになくなるとは決まっていない
「トイザらスは日本でどうなるの?」「日本からなくなってしまうの?」と気になっている人もいるでしょう。
結論からいえば、現時点で「日本のトイザらスがすぐになくなる」と決まっているわけではありません。
日本では現在もトイザらスの店舗が営業しているほか、オンラインストアも展開されています。
さらに、2026年には新しくオープンした店舗も確認できるため、「全国の店舗が一斉になくなる」といった状況とは異なります。
一方で、ここで注意したいのは、「現在営業している=将来も絶対になくならない」という意味ではないことです。
企業を取り巻く環境は変化するため、将来の店舗数や事業方針について断定することはできません。
また、個別店舗については閉店するケースもあれば、新しくオープンするケースもあります。
そのため「近所のトイザらスが閉店した」という情報だけを見て、日本トイザらス全体が撤退すると判断しないことも重要です。
| 確認したいポイント | 現在確認できる状況 |
|---|---|
| 日本での店舗営業 | 店舗営業は継続している |
| 公式オンラインストア | 運営されている |
| 新規出店 | 2026年にも新規オープン店舗が確認できる |
| 個別店舗の閉店 | 営業を終了した店舗もある |
| 今後の日本事業 | 将来については最新の公式発表を確認する必要がある |
つまり、トイザらスの今後を考える場合は、「閉店した店舗があるか」だけではなく、新規出店や店舗数、オンライン事業、業績などをまとめて確認することが大切です。
ここからは、現在の日本トイザらスがどのような状況なのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
日本のトイザらスは現在も店舗・オンラインストアを展開している
まず押さえておきたいのは、日本のトイザらスは現在も営業を続けているという点です。
日本トイザらスの公式サイトでは店舗検索が提供されており、2026年に確認した時点では全国の店舗情報が掲載されています。
公式店舗検索では157店舗が表示されており、北海道から九州までトイザらスやトイザらス・ベビーザらスなどの店舗を確認できます。
さらに興味深いのは、既存店舗を維持しているだけではなく、2026年にも新規オープン店舗が確認できることです。
たとえば公式店舗情報には、「トイザらス 博多マルイ店」「トイザらス 川西阪急スクエア店」「トイザらス カメイドクロック店」など、2026年にグランドオープンした店舗が掲載されています。
この点を見る限り、少なくとも現在は、日本国内で店舗展開そのものが完全に止まっているわけではありません。
また、日本トイザらスは実店舗だけの企業ではありません。
公式オンラインストアも運営されており、おもちゃや子ども向け商品などをインターネットから購入できます。
オンラインストアでは商品の販売だけでなく、店舗受け取りサービスなど、実店舗とECをつなぐサービスも案内されています。
これは今後のトイザらスを考えるうえでも重要なポイントです。
かつての玩具専門店は「店舗へ行って商品を買う」という利用方法が中心でしたが、現在はECと実店舗を組み合わせた買い物が一般的になっています。
そのため、今後の日本トイザらスを見る場合も、単純な店舗数だけではなく、「実店舗+オンライン」という事業全体を見る必要があります。
日本撤退や全店閉店について公式発表は出ている?
「トイザらスが日本からなくなる」という情報を目にしたとき、まず確認したいのが、その情報の出どころです。
特に注意したいのは、個別店舗の閉店と、日本市場からの全面撤退を混同しないことです。
実際、日本トイザらスの公式店舗情報を見ると、新しくオープンした店舗がある一方、営業を終了した店舗も確認できます。
たとえば2026年には、京都河原町OPA店や加古川店、西春日井店などについて営業終了の案内が掲載されています。
しかし、ある地域の店舗が閉店したからといって、それだけで「トイザらスが日本から撤退する」と結論づけることはできません。
小売業では商圏の変化や施設との契約、店舗戦略の見直し、移転など、さまざまな理由で店舗の入れ替えが行われるためです。
反対に、新しい店舗がオープンしたという事実だけを根拠に、「今後の経営には何も問題がない」と判断することもできません。
閉店と出店のどちらか一方だけを見るのではなく、事業全体の動きを確認することが重要です。
特に「日本撤退」「全店閉店」といった大きな情報については、SNSの投稿や断片的な情報だけで判断せず、日本トイザらスの公式サイトやプレス発表など一次情報を確認するのが確実です。
2026年時点の公式サイトでは店舗検索やオンラインストアが運営され、複数の新規オープン店舗も掲載されています。
したがって、現状を説明するのであれば、「トイザらスが日本からすぐになくなることが決まっている」と捉えるのは適切ではないと考えるのが自然でしょう。
赤字という情報だけで日本撤退とは判断できない
トイザらスの今後について調べていると、「赤字」という言葉が気になる人も多いでしょう。
企業の業績を見るうえで利益は重要な指標であり、赤字が続いているのであれば軽視できる材料ではありません。
しかし、赤字という事実と「日本から撤退する」という話は同じではありません。
企業の将来を考える際には、売上高や営業損益だけでなく、出店戦略、店舗の収益性、事業再編、ECへの投資など、複数の要素を見る必要があります。
たとえば小売企業では、新規店舗の開業や既存店舗の改装などに費用が発生する場合があります。
反対に、売上が大きくてもコスト負担が大きければ利益が残りにくいこともあります。
そのため「赤字」という言葉だけを切り取って、企業の将来を単純に判断することはできません。
| 情報 | 注意したい見方 |
|---|---|
| 赤字になった | それだけで撤退や倒産が決まるわけではない |
| 店舗が閉店した | 個別店舗の閉店と日本事業全体の撤退は別 |
| 新店舗がオープンした | 出店だけで会社全体の経営状態を判断することはできない |
| オンライン販売を継続している | 実店舗だけでなくECを含めた事業全体を見る必要がある |
つまり「トイザらスは日本でどうなるのか」を考える際には、ひとつのニュースだけで結論を出さないことがポイントになります。
現時点では店舗営業やオンライン販売が続き、新規出店も確認できる一方、営業を終了した店舗も存在します。
そして業績についても、数字を具体的に確認したうえで現在の経営状況を考える必要があります。
「すぐになくなる」と決めつけるのでも、「絶対に大丈夫」と考えるのでもなく、確認できる事実を積み重ねて判断することが大切です。
では、なぜこれほど「トイザらスが日本からなくなるのでは?」と心配されているのでしょうか。
その背景には、日本の店舗事情だけでなく、過去に米国のトイザらスで起きた大きな出来事も関係しています。
トイザらスが日本からなくなると心配されるのはなぜ?
日本のトイザらスが現在も営業しているにもかかわらず、「このまま日本からなくなるのでは?」と心配されるのには、いくつかの背景があります。
なかでも大きいのが、過去に米国のトイザらスが経営破綻し、米国内の店舗を閉鎖したというニュースの印象です。
「アメリカのトイザらスがなくなった」という記憶から、日本でも同じことが起こるのではないかと考える人がいても不思議ではありません。
さらに、日本国内でも個別店舗の閉店が行われることがあります。
近所で長年営業していたトイザらスが閉店すれば、「トイザらス自体が縮小しているのでは?」と感じる人もいるでしょう。
そこへ日本の少子化やAmazonなどのECの普及といった小売業を取り巻く変化が重なることで、トイザらスの将来を不安視する見方につながりやすくなっています。
ただし、これらはそれぞれ分けて考える必要があります。
| 不安につながりやすい要素 | 確認しておきたいポイント |
|---|---|
| 米国トイザらスの経営破綻 | 米国で起きた出来事を、そのまま現在の日本事業に当てはめることはできない |
| 日本国内の店舗閉店 | 個別店舗の閉店と日本市場からの全面撤退は意味が異なる |
| 少子化 | 子どもの人口だけで玩具市場全体の動向を判断できるとは限らない |
| ECの普及 | ネット通販は競争要因である一方、トイザらス自身もオンライン販売を行っている |
「不安になる材料があること」と「日本からなくなることが決まっていること」は別の話です。
それぞれの背景を詳しく確認してみましょう。
米国トイザらスの経営破綻・全店舗閉鎖のイメージが強い
トイザらスの将来が心配される理由を理解するうえで、避けて通れないのが米国で起きた経営破綻です。
米国のToys“R”Usは2017年9月、米連邦破産法11条の適用を申請しました。
そして2018年には米国内事業の清算に向けた動きが進み、当時運営していた米国内の店舗を閉鎖することになりました。
世界的に知られていた玩具専門店だっただけに、この出来事は大きなニュースとして報じられました。
そのため、現在でも「トイザらス」と「経営破綻」をセットで記憶している人は少なくないでしょう。
しかし、ここで非常に重要なのが、米国で起きた経営破綻と、現在の日本トイザらスの状況をそのまま同一視しないことです。
米国で経営破綻が起きた当時、日本にもトイザらスの店舗が多数存在していたため、「日本の店舗も全部なくなるのでは?」と不安が広がりました。
ところが、その後も日本のトイザらスは営業を継続しています。
米国の店舗閉鎖からすでに年月が経過していますが、日本では現在も「トイザらス」「トイザらス・ベビーザらス」などの店舗が展開されています。
さらにオンラインストアも運営されており、2026年には新規オープン店舗も確認できます。
つまり、「米国で店舗が閉鎖された=日本でも同じタイミングで事業が終了した」というわけではありませんでした。
なお、米国でも「トイザらス」というブランドそのものが完全に消滅したわけではありません。
その後、ブランドの再展開が行われ、現在は米国でも別の形でトイザらスブランドを目にすることができます。
このように、トイザらスの歴史は「米国で経営破綻してすべて終了」という単純なものではありません。
過去の米国事業のニュースだけを根拠に、現在の日本トイザらスの将来を判断しないことが重要です。
日本でも個別店舗の閉店や移転が行われることがある
もうひとつ、「トイザらスが日本からなくなるのでは?」という印象につながりやすいのが、日本国内における店舗の閉店です。
長年利用してきた店舗が閉店すれば、利用者にとってそのインパクトは小さくありません。
特に、自宅周辺からトイザらスがなくなった場合、「最近トイザらスを見かけなくなった」「全国的に店舗が減っているのでは?」と感じることもあるでしょう。
実際、日本トイザらスの公式店舗情報には、営業終了した店舗についての案内も掲載されています。
一方で、営業を終了する店舗があるのと同時に、新規出店や移転、リニューアルといった動きもあります。
小売業では、すべての店舗を同じ場所で永久に営業し続けるとは限りません。
商業施設そのものの閉館や改装、周辺人口の変化、賃貸契約、売場面積の見直しなど、さまざまな事情によって店舗の場所が変わる場合があります。
また、従来型の大型店舗だけではなく、商業施設の特性に合わせて店舗形態を変えることも小売企業の戦略のひとつです。
そのため、閉店情報を見る際には、次のように整理すると状況を理解しやすくなります。
- その店舗だけが閉店するのか
- 近隣店舗への移転なのか
- 商業施設そのものに変化があるのか
- 同じ時期に新規出店が行われているか
- 全国の店舗数がどのように推移しているか
特に注意したいのは、SNSなどで「○○店が閉店」という情報だけを見て、「トイザらスが日本撤退するらしい」と話を大きくしてしまうことです。
1店舗の営業終了と、日本国内すべての事業を終了することでは意味がまったく異なります。
反対に、新規店舗ができたからといって、それだけで会社全体の業績が順調だと断定することもできません。
閉店と出店の両方を確認しながら、日本トイザらス全体の動きを見ることが大切です。
少子化やネット通販の普及も将来を心配する要因になりやすい
日本のトイザらスについて考えるとき、多くの人が思い浮かべるのが「少子化」です。
トイザらスはおもちゃや子ども用品を扱う企業ですから、「子どもが減れば、おもちゃを買う人も減るのでは?」と考えるのは自然でしょう。
確かに、子どもの人口は玩具・ベビー用品を扱う企業にとって無視できない要素です。
しかし、「少子化=玩具市場がそのまま縮小する」と単純化することはできません。
玩具には子ども向けの商品だけでなく、大人が購入するキャラクター商品、トレーディングカード、フィギュア、ホビー商品など幅広いジャンルがあります。
いわゆる「キダルト」と呼ばれる大人の玩具需要も、玩具市場を見るうえで注目される存在になっています。
さらに、子どもの人数が減ったとしても、一人あたりに使われる金額や商品の単価、人気キャラクターのヒットなどによって市場規模は変化します。
そのため、人口だけを見て玩具市場の将来を判断するのは十分ではありません。
もうひとつ大きな変化が、ネット通販の普及です。
以前であれば、おもちゃを購入するときに大型玩具店へ足を運ぶことが一般的でした。
現在ではAmazonや楽天市場をはじめ、さまざまなECサイトから商品を購入できます。
スマートフォンで価格を比較し、そのまま自宅へ配送してもらえるため、利便性という点ではネット通販が強みを持っています。
こうした環境では、トイザらスも「商品を棚に並べて販売するだけ」の店舗では競争が難しくなります。
一方で、実店舗にはECにはない特徴があります。
- 実際の商品サイズを確認できる
- 子どもが商品を直接見ながら選べる
- 誕生日やクリスマスのプレゼントを家族で探せる
- ベビーカーや大型商品などを実物で確認できる
- 商品によってはスタッフへ相談しながら選べる
さらに日本トイザらス自身もオンラインストアを展開しているため、「ネット通販対実店舗」という単純な二者択一ではありません。
今後はオンラインで商品を探し、店舗で受け取るといったように、ECと実店舗を組み合わせた買い物体験も重要になっていくでしょう。
少子化、ECの普及、消費者の買い方の変化は確かにトイザらスを取り巻く大きな環境変化ですが、それだけで日本撤退を意味するものではありません。
むしろ重要なのは、こうした変化に日本トイザらスがどのように対応していくかです。
そして、その対応力を考えるうえで確認しておきたいのが、現在の日本トイザらスの経営状況です。
日本トイザらスの現在の経営状況は?
「トイザらスは日本でどうなるのか」を考えるうえで、避けて通れないのが現在の経営状況です。
店舗が営業しているか、新規出店しているかという情報だけでなく、会社がどれくらい売上を上げ、最終的に利益を確保できているのかも確認する必要があります。
日本トイザらス株式会社が2026年5月8日に公告した第38期決算を見ると、2025年12月期の売上高は752億1,100万円でした。
一方、営業損失は27億8,800万円、経常損失は29億5,100万円、当期純損失は37億5,900万円となっています。
つまり、2025年12月期については売上高752億円規模の事業を展開している一方で、利益面では赤字だったことが確認できます。
さらに前年の2024年12月期と比較すると、売上高は809億300万円から752億1,100万円へ減少しました。
営業損失についても、2024年12月期の17億9,300万円から、2025年12月期には27億8,800万円へ拡大しています。
当期純損失も19億4,800万円から37億5,900万円へ拡大しました。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 809億300万円 | 752億1,100万円 | 減少 |
| 営業損益 | 17億9,300万円の損失 | 27億8,800万円の損失 | 赤字幅が拡大 |
| 経常損益 | 16億4,500万円の損失 | 29億5,100万円の損失 | 赤字幅が拡大 |
| 当期純損益 | 19億4,800万円の損失 | 37億5,900万円の損失 | 赤字幅が拡大 |
こうした数字を見ると、「トイザらスは大丈夫なの?」と心配になる人もいるでしょう。
確かに、売上高が前年を下回り、営業段階でも赤字が続いている点は、今後を考えるうえで確認しておきたい材料です。
ただし、決算の数字だけを見て「日本撤退が決まっている」「すぐに店舗がなくなる」と結論づけることもできません。
経営状況と将来の事業方針は関連しますが、同じ意味ではないからです。
そこで、まずは公表されている数字から何がわかり、逆に何までは判断できないのかを整理していきましょう。
売上高・営業損益・純損益から近年の業績を確認
企業の決算に慣れていない人にとって、「売上高」「営業利益」「純利益」といった言葉は少しわかりにくいかもしれません。
簡単に整理すると、売上高は商品やサービスを販売して得た収入の規模を示す数字です。
営業損益は、本業によってどれだけ利益または損失が出たのかを見るための重要な指標になります。
そして当期純損益は、さまざまな損益や税金などを反映したうえで、最終的にどれだけ利益または損失が残ったのかを示します。
| 決算項目 | 簡単な意味 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 売上高 | 商品などを販売して得た売上の規模 | 事業規模や売上の増減を見る |
| 営業損益 | 本業による利益・損失 | 本業で利益を確保できているかを見る |
| 経常損益 | 営業損益に営業外の収益・費用などを加えたもの | 通常の企業活動全体の収益性を見る |
| 当期純損益 | 税金なども反映した最終的な利益・損失 | 最終的に利益が残ったかを見る |
日本トイザらスの2025年12月期を見ると、売上高は752億1,100万円です。
これに対して売上原価は507億3,900万円、売上総利益は244億7,200万円でした。
そして販売費及び一般管理費が272億6,100万円となり、営業損失は27億8,800万円となっています。
つまり、商品を販売することで売上総利益は生まれているものの、店舗運営などにかかわる販売費及び一般管理費を差し引いた営業段階では赤字だったことになります。
特に注目したいのは、2025年12月期だけが突然赤字になったわけではないことです。
2024年12月期も営業損失17億9,300万円、2023年12月期も営業損失56億3,300万円となっていました。
2023年から2024年にかけて営業赤字はいったん縮小したものの、2025年には再び赤字幅が拡大しています。
売上高についても、2023年12月期の885億400万円から、2024年12月期には809億300万円、2025年12月期には752億1,100万円と推移しています。
この推移を見る限り、売上規模と収益性の両面が今後の注目ポイントになるでしょう。
公表されている数字から見える日本トイザらスの現状
では、これらの決算数字から日本トイザらスの現状をどのように捉えればよいのでしょうか。
まず明確なのは、2025年12月期の売上高が前年より減少し、営業赤字と最終赤字が前年より拡大したということです。
これは、今後の経営を考えるうえで軽視できない数字です。
また、貸借対照表を見ると、2025年12月末時点の総資産は308億9,400万円、純資産は85億9,600万円となっています。
前年の2024年12月末時点では総資産350億2,800万円、純資産123億5,600万円だったため、いずれも減少しています。
利益剰余金も2025年12月末時点でマイナス69億4,000万円となっています。
こうした数字を踏まえると、「業績面に何の課題もない」と表現するのは適切ではありません。
一方で、ここで逆方向に話を飛躍させることにも注意が必要です。
たとえば「赤字だから倒産する」「純資産が減ったから日本撤退する」といった結論は、今回確認できる決算公告だけから導くことはできません。
決算公告は会社の一定時点における財政状態や一定期間の業績を知る重要な資料ですが、将来の撤退時期や閉店計画を予告する資料ではないからです。
企業の今後を考えるのであれば、決算だけではなく、店舗戦略や事業計画、親会社の方針、投資状況なども含めて確認する必要があります。
実際、日本トイザらスについては、前述したように新規出店や店舗展開も確認できます。
つまり現在の状況は、「店舗展開を続けている」という事実と「利益面では厳しい数字が出ている」という事実が同時に存在していると捉えるとわかりやすいでしょう。
どちらか一方だけを強調すると、実際の状況とは異なる印象を与えてしまいます。
業績と日本撤退の可能性は分けて考える
ここまでの数字を見ると、読者がもっとも知りたいのは「では、この赤字によって日本のトイザらスはなくなるのか?」という点でしょう。
この疑問については、「業績が厳しいこと」と「日本撤退が決まっていること」を分けて考える必要があります。
営業赤字や純損失が続けば、一般論として企業には収益改善が求められます。
店舗の収益性を見直したり、コストを削減したり、売場を変更したり、ECを強化したりすることも考えられます。
場合によっては、不採算店舗の閉店や店舗網の再編が行われることも小売業では珍しくありません。
しかし、それらの経営判断には複数の選択肢があります。
赤字になった企業が必ず市場から撤退するわけではなく、事業構造を見直して収益改善を目指すケースもあります。
逆に、現在店舗を増やしているからといって、将来的な閉店や事業再編が絶対にないと保証されるわけでもありません。
そのため、日本トイザらスについても、将来を断定するのではなく、今後発表される情報を継続して確認することが重要です。
| 確認できる事実 | そこから断定できないこと |
|---|---|
| 2025年12月期は営業赤字だった | 日本撤退が決定しているとは断定できない |
| 当期純損失が前年より拡大した | 直ちに全店舗が閉店するとは判断できない |
| 売上高が前年より減少した | 今後も必ず同じペースで減少するとは限らない |
| 純資産が前年より減少した | 決算公告だけから将来の事業終了時期は判断できない |
| 新規出店も行われている | 会社全体の収益性に問題がないとは断定できない |
読者にとって重要なのは、過度に安心することでも、必要以上に不安になることでもありません。
現在公表されている数字を正確に把握したうえで、その後の業績や店舗展開がどう変化するかを見ることです。
特に今後の決算で、売上高の減少に歯止めがかかるのか、営業赤字が縮小するのか、それともさらに拡大するのかは注目したいポイントになります。
そして、日本トイザらスの将来を理解するためには、もうひとつ整理しておかなければならないことがあります。
それが、過去に経営破綻した米国のトイザらスと、日本のトイザらスとの違いです。
「アメリカのトイザらスが破綻したのだから、日本も同じ道をたどる」と単純に考えることはできません。
次に、米国で何が起きたのかを振り返りながら、日本トイザらスとの違いを整理していきます。
米国のトイザらスと日本のトイザらスは何が違う?
「トイザらス」と聞いて、2017年から2018年にかけて大きく報じられた米国事業の経営破綻や全店舗閉鎖を思い出す人もいるでしょう。
そのため、日本トイザらスの業績について「赤字」という情報を見ると、「アメリカと同じように日本からもなくなるのでは?」と考えてしまうかもしれません。
しかし、過去に米国で起きた経営破綻と、現在の日本トイザらスの状況をそのまま重ね合わせることはできません。
重要なのは、米国事業が清算された当時、日本を含むアジア事業は米国事業の清算プロセスに含まれていなかったという点です。
当時のトイザらス・アジアは、ほかのトイザらス事業組織から財務上独立した別法人として運営されていました。
また、日本事業は2017年にトイザらスのアジア事業へ統合されています。
つまり、「トイザらス」という同じブランドを使用していても、米国と日本では当時の事業を取り巻く財務的な構造が同じではなかったのです。
| 比較ポイント | 米国事業 | 日本を含むアジア事業 |
|---|---|---|
| 2017~2018年の動き | 連邦破産法11条を申請し、その後米国事業の清算へ | 米国事業の清算プロセスには含まれず営業を継続 |
| 財務上の関係 | 巨額の債務負担などを抱えていた | 当時、他のトイザらス事業組織から財務上独立していると説明 |
| 日本事業 | 米国店舗の清算とは別 | 2017年にアジア事業へ統合 |
| その後 | 2018年に当時の米国内店舗を閉鎖 | 日本では店舗営業を継続 |
この違いを理解すると、「米国で破綻したのだから、日本も同じようになる」という見方が必ずしも適切ではないことがわかります。
ただし、だからといって現在の日本トイザらスの経営状況を楽観視してよいという意味でもありません。
前述したように、日本トイザらスの近年の決算では営業赤字なども確認されています。
過去の米国事業とは切り離して、現在の日本事業については現在の業績や店舗戦略から判断する必要があります。
米国トイザらスでは何が起きたのか
まず、米国のトイザらスで何が起きたのかを簡単に振り返っておきましょう。
米国のToys“R”Usは2017年9月、米連邦破産法11条の適用を申請しました。
連邦破産法11条は、一般的に事業を継続しながら経営再建を目指すために利用される制度です。
そのため、この時点で直ちに米国の全店舗が閉鎖されたわけではありません。
しかし、その後も再建は厳しい状況となり、2018年3月には米国内の735店舗を閉鎖して米国事業を清算する方針が明らかになりました。
そして2018年6月には、当時残っていた米国内の店舗も営業を終了しました。
米国事業が厳しい状況に陥った背景については、インターネット通販や大型量販店との競争だけで説明することはできません。
米国トイザらスは大きな債務を抱えており、その利払い負担も経営上の大きな重荷になっていたと報じられています。
玩具を買う場所がAmazonなどのECへ広がったことや、ウォルマートなど大型小売店との価格競争が激しくなったことも、事業環境を難しくした要素として挙げられています。
一方で、多額の債務によって店舗やECなどへ十分な投資を行いにくかったことも、米国事業を考えるうえで重要なポイントです。
つまり、米国トイザらスの経営破綻は、「ネット通販が普及したから玩具専門店がなくなった」という単純な話ではありません。
- 多額の債務と利払い負担
- AmazonなどECとの競争
- 大型量販店との価格競争
- 店舗やデジタル分野への投資をめぐる課題
- 再建を目指したものの事業清算へ移行したこと
こうした複数の事情が重なっていたことを踏まえる必要があります。
そのため、現在の日本トイザらスに赤字があるという一点だけを取り上げ、米国事業とまったく同じ状況だと考えるのは早計です。
米国の経営破綻後も日本トイザらスが営業を続けてきた経緯
米国トイザらスが経営破綻した際、日本でも「日本のトイザらスはどうなるの?」という疑問が広がりました。
しかし、日本を含むアジア事業については、当時から米国事業との違いが説明されていました。
2017年9月、トイザらス・アジアは、米国で行われる財務再構築の対象外であることを発表しています。
当時の発表では、トイザらス・アジアは単独の法人として運営され、世界のほかのトイザらス事業組織から財務的に独立していると説明されました。
さらに2018年3月に米国事業の清算方針が明らかになった際にも、日本を含むアジア事業は米国事業の清算の影響を受けず、営業を継続すると発表されています。
実際、その後も日本国内のトイザらスは営業を続けました。
ここで押さえておきたいのが、日本事業がアジア事業へ組み込まれたタイミングです。
日本のトイザらス事業は2017年3月にToys (Labuan) Holding Limitedへ統合され、アジア地域の事業の一部となりました。
その後2018年11月には、トイザらス・アジア事業について新しい株主構成が発表されています。
このような経緯からも、米国の店舗が閉鎖された2018年以降も、日本事業はアジア事業の一部として継続してきたことがわかります。
現在の日本トイザらスの企業情報でも、株主としてToys“R”Us (Asia) Limitedが記載されています。
また、全国150店舗以上とオンラインストアで玩具・ベビー用品を販売していることも公式の企業情報で案内されています。
米国で大規模な店舗閉鎖が行われてから年月が経過しても日本で営業が続いていること自体が、米国事業と日本事業を同一視できないことを示しています。
米国の事例だけで日本事業の将来を判断できない理由
では、日本トイザらスについて今後を考えるとき、米国の経営破綻から何を学べばよいのでしょうか。
重要なのは、米国の事例を無視することでも、そのまま日本へ当てはめることでもありません。
「どのような要因によって事業が厳しくなったのか」を確認し、日本でも同じ課題があるのかを個別に考えることです。
たとえば、ECとの競争は日本のトイザらスにとっても無関係ではありません。
消費者はAmazonや楽天市場、メーカー直販サイトなど、さまざまな場所から玩具を購入できます。
少子化や消費行動の変化、店舗運営コストなども、日本の玩具小売業にとって重要なテーマでしょう。
その意味では、米国トイザらスが直面した問題の一部には、日本でも注目すべきものがあります。
しかし、米国事業が抱えていた債務構造など、当時の米国固有の事情まで現在の日本事業と同じだと考えることはできません。
| 視点 | 日本でも確認したいこと |
|---|---|
| ECとの競争 | オンラインストアと実店舗をどのように連携させるか |
| 店舗運営 | 店舗ごとの収益性や出店・閉店戦略がどう変化するか |
| 消費者ニーズ | 子ども向けだけでなく幅広い玩具需要を取り込めるか |
| 業績 | 売上高や営業損益が今後改善するか |
| 投資 | 店舗改装やデジタル化などにどのような取り組みを行うか |
「米国で破綻したから日本も危ない」「日本は別法人だから絶対に大丈夫」という両極端な判断は避けるべきです。
日本トイザらスについて判断するなら、現在の日本事業そのものを見る必要があります。
その材料になるのが、これまで確認してきた決算だけでなく、店舗への投資や新規出店などの動きです。
特に気になるのが、「赤字が出ているのに、なぜ新しい店舗をオープンしているの?」という点でしょう。
一見すると矛盾しているように感じますが、赤字と新規出店は必ずしも両立しないものではありません。
次は、日本トイザらスの新規出店や移転、リニューアルの動きを確認しながら、店舗戦略について詳しく見ていきます。
トイザらスは赤字でも新しい店舗を出している?
日本トイザらスの決算を見ると営業赤字が確認できる一方で、新しい店舗のオープンや移転、リニューアルといった動きも続いています。
そのため、「赤字なのに、どうして新しい店舗を出せるの?」と疑問に感じる人もいるでしょう。
結論からいうと、会社全体が赤字であることと、新規出店を行うことは必ずしも矛盾しません。
小売企業では、既存店舗をすべてそのまま維持するのではなく、収益性や商圏、消費者の動きなどを考えながら店舗網を組み替えることがあります。
ある店舗を閉店する一方で、より集客が期待できる商業施設へ新しい店舗を出したり、既存店舗を移転したりすることもあります。
また、新しい店舗へ投資することで、将来の売上や利益につなげようとする経営判断も考えられます。
日本トイザらスについても、2026年には新規オープンした店舗が公式に案内されています。
一方で、営業を終了した店舗もあるため、単純に「店舗を増やしている会社」と見るより、出店・閉店・移転・改装を組み合わせながら店舗網を見直していると捉えるほうが実態を理解しやすいでしょう。
| 店舗に関する動き | 考えられる目的 |
|---|---|
| 新規出店 | 新しい商圏への進出や新規顧客との接点づくり |
| 移転 | 立地や売場面積、商業施設との相性などの見直し |
| リニューアル | 売場の改善や新しい買い物体験の提供 |
| 閉店 | 店舗網や収益性などを踏まえた見直し |
| オンラインとの連携 | 実店舗とECを組み合わせた販売機会の拡大 |
もちろん、実際の出店・閉店理由は店舗によって異なるため、外部から一律に判断することはできません。
重要なのは、「赤字なのに出店しているから安心」「閉店があるから撤退が近い」と、どちらか一方の情報だけで判断しないことです。
ここから、日本トイザらスの店舗戦略についてもう少し詳しく見ていきましょう。
日本トイザらスの新規出店・移転・リニューアルの動き
日本トイザらスは、既存店舗を営業するだけでなく、新規出店や移転、リニューアルも行っています。
2026年の公式店舗情報を見ると、新たにグランドオープンした店舗が複数確認できます。
たとえば「トイザらス 博多マルイ店」は2026年1月23日にグランドオープンしました。
また、「トイザらス 川西阪急スクエア店」は2026年3月27日、「トイザらス カメイドクロック店」は2026年4月17日にグランドオープンしたことが公式サイトで案内されています。
つまり、少なくとも2026年時点では、日本トイザらスが新しい店舗への出店を完全に止めているわけではありません。
ただし、ここで注意したいのは「新規出店数だけ」を見ることです。
同じ時期に営業を終了する店舗があれば、会社全体の店舗数が必ず増えているとは限りません。
新店舗のオープンには、まったく新しい商圏へ進出するケースだけでなく、既存店の移転や店舗網の再編という側面が含まれる場合もあります。
そのため、日本トイザらスの店舗戦略を見る場合は、「何店舗オープンしたか」だけでなく、「どこへ、どのような形で出店しているのか」にも注目したいところです。
特に近年の出店を見ると、大型ショッピングセンターや駅周辺の商業施設など、日常的に人が訪れる場所への出店も確認できます。
こうした商業施設への出店には、玩具だけを目的に来店する顧客だけでなく、買い物や食事などで施設を訪れた家族との接点をつくれるメリットがあります。
また、従来の大型店舗だけにこだわらず、商業施設の特徴に合わせて売場をつくることも、店舗運営の効率を考えるうえで重要になります。
今後、日本トイザらスの店舗数がどのように変化するかを見る場合は、新規出店だけでなく閉店や移転も含めて追っていく必要があるでしょう。
出店と閉店の両方を見ることで、店舗網を拡大しているのか、規模を調整しているのか、立地を組み替えているのかが見えやすくなります。
ベビー用品を含めた店舗展開にも注力している
日本トイザらスを理解するときに忘れてはいけないのが、「ベビーザらス」の存在です。
トイザらスという名前から「子どものおもちゃを売る店」というイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし、日本では玩具だけでなく、妊娠・出産・育児に関連する商品を扱うベビー用品分野も重要な事業のひとつになっています。
店舗によっては「トイザらス・ベビーザらス」として、玩具とベビー用品を同じ店舗で取り扱っています。
ベビー用品には、ベビーカーやチャイルドシート、抱っこひも、ベビーベッド、離乳食関連用品、紙おむつなど、幅広い商品があります。
こうした商品には、ネット上の写真や価格だけでは選びにくいものも少なくありません。
特にベビーカーやチャイルドシートなどは、サイズ感や使い勝手などを実際に確認したいと考える利用者もいるでしょう。
その点では、実物を確認できる店舗を持っていることが、EC専業にはない特徴になり得ます。
また、子どもの成長に合わせて必要な商品が変わっていくことも、ベビー用品と玩具を一緒に扱うメリットのひとつです。
出産準備の段階ではベビー用品を購入し、その後は年齢に合わせて知育玩具やキャラクター玩具、自転車などを購入するといった形で、長期間にわたって顧客との接点を持つことができます。
| 時期 | 主な商品ニーズの例 |
|---|---|
| 出産前 | ベビーカー、チャイルドシート、ベビーベッドなど |
| 乳児期 | 紙おむつ、離乳食用品、ベビー玩具など |
| 幼児期 | 知育玩具、乗用玩具、キャラクター商品など |
| 学童期 | ゲーム、ホビー、スポーツ玩具など |
もちろん、日本では少子化が進んでいるため、子育て世帯を対象とする市場には人口動態の影響があります。
だからこそ、限られた顧客にどれだけ便利で魅力的な売場を提供できるかが重要になります。
単に商品の種類を増やすだけでなく、「ここへ来れば出産準備から子どもの玩具までまとめて探せる」という利便性をつくれるかどうかもポイントになるでしょう。
玩具とベビー用品を組み合わせた店舗づくりは、日本トイザらスの今後を見るうえで注目したい要素のひとつです。
新規出店だけで経営状態を判断できない点には注意
新しいトイザらスがオープンしていると聞くと、「それなら経営は大丈夫なのでは?」と感じるかもしれません。
しかし、ここでも注意が必要です。
新規出店があるという事実だけで、会社全体の経営状態が良好だと判断することはできません。
新しい店舗は将来の売上をつくるための投資でもあります。
店舗をオープンするには、内装工事や什器、商品の準備、人材の採用・教育など、さまざまな費用がかかります。
出店後も賃料や人件費、光熱費などの運営コストが発生します。
そのため、新店舗がオープンしたとしても、実際にどれだけ売上を上げ、利益につながるかはその後の運営によって変わります。
一方、赤字の企業が投資をすべて止めればよいとも限りません。
将来の成長や収益改善を目指すためには、店舗改装やシステム更新、新規出店などに資金を投じる必要がある場合もあります。
つまり、「赤字だから投資できない」「出店しているから経営は好調」という単純な関係ではないということです。
| 見かけた情報 | すぐに結論づけないほうがよいこと |
|---|---|
| 新店舗がオープンした | 会社全体が黒字で経営に問題がない |
| 店舗が閉店した | 日本事業から全面撤退する |
| 決算が赤字だった | 直ちに全店舗がなくなる |
| 店舗をリニューアルした | 将来の業績改善が保証されている |
日本トイザらスの今後を見るなら、新規出店そのものよりも、出店や改装などの施策が売上や利益の改善につながるかを確認することが重要です。
今後の決算で営業赤字が縮小していけば、店舗戦略などの成果を考えるひとつの材料になります。
反対に、売上の減少や赤字拡大が続けば、さらなる店舗網の見直しなどが行われる可能性も考えられます。
ただし、具体的な閉店や撤退については、会社から発表されていない段階で断定すべきではありません。
現時点で確認できるのは、日本トイザらスには業績上の課題がある一方、新規出店など店舗への取り組みも続けているということです。
そして、こうした店舗戦略が成功するかどうかを考えるうえでは、日本の玩具市場そのものがどうなっているのかも重要になります。
「少子化なら、おもちゃ市場も縮小しているのでは?」と思うかもしれません。
しかし、実際の玩具市場は子どもの人口だけでは説明できない変化を見せています。
次は、日本の玩具市場と大人向け需要、ECの普及という視点から、トイザらスを取り巻く市場環境を見ていきます。
日本のトイザらスを取り巻く玩具市場はどうなっている?
日本トイザらスの今後を考えるなら、会社単体の業績だけでなく、その土台となる国内玩具市場についても確認する必要があります。
「日本は少子化が進んでいるのだから、おもちゃも売れなくなっているのでは?」と思う人もいるでしょう。
ところが、実際の市場データを見ると、必ずしもそのイメージどおりではありません。
一般社団法人日本玩具協会によると、2025年度の国内玩具市場規模は1兆1,664億円となり、前年度比106.3%で過去最高を更新しました。
しかも、玩具市場が過去最高を更新するのは2021年度以降5年連続です。
2024年度の1兆992億円から、2025年度にはさらに690億円規模で市場が拡大しました。
| 年度 | 国内玩具市場規模 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2021年度 | 8,926億円 | - |
| 2022年度 | 9,521億円 | 106.7% |
| 2023年度 | 1兆191億円 | 107.0% |
| 2024年度 | 1兆992億円 | 107.9% |
| 2025年度 | 1兆1,664億円 | 106.3% |
もちろん、玩具市場全体が拡大しているからといって、日本トイザらスの売上も自動的に増えるわけではありません。
玩具メーカーの直販サイトやECモール、家電量販店、総合スーパーなど、おもちゃを購入できる場所は数多く存在するからです。
しかし、「少子化だから日本の玩具市場そのものが縮小しており、トイザらスにも需要がなくなっている」と単純に考えることも、現在の市場データとは一致しません。
むしろ重要なのは、拡大している市場の需要を日本トイザらスがどれだけ取り込めるかという点です。
そこで、現在の玩具市場で何が売れているのかを詳しく見ていきましょう。
少子化のなかでも国内玩具市場にはさまざまな需要がある
日本の玩具市場を理解するうえで興味深いのが、子どもの人口と市場規模が必ずしも同じ方向へ動いていないことです。
日本玩具協会が公表している長期データを見ると、15歳未満人口は減少傾向にあります。
その一方、国内玩具市場は2021年度以降、過去最高の更新を続けています。
つまり、「子どもの人数が減れば、その割合に応じて玩具市場も小さくなる」という単純な構造ではなくなっていることがわかります。
その理由を考えるヒントになるのが、近年伸びている商品カテゴリーです。
2025年度に市場拡大を大きく牽引したのは、「カードゲーム・トレーディングカード」でした。
同分野の市場規模は3,384億円となり、前年から359億円拡大しています。
玩具市場全体のおよそ3割を占める規模にまで成長しました。
さらに、ぬいぐるみ市場は624億円となり、前年から173億円拡大しています。
プラモデルやラジコン、鉄道模型、フィギュアなどを含むホビー分野も1,960億円となり、前年から115億円拡大しました。
| 2025年度に注目された分野 | 市場規模 | 前年からの増加額 |
|---|---|---|
| カードゲーム・トレーディングカード | 3,384億円 | 359億円増 |
| ぬいぐるみ | 624億円 | 173億円増 |
| ホビー | 1,960億円 | 115億円増 |
こうした数字を見ると、現在の玩具市場が「小さな子どものためのおもちゃ」だけで成り立っているわけではないことがわかります。
トレーディングカードやフィギュア、プラモデル、キャラクター関連商品などには、子どもだけでなく大人にもファンがいます。
また、人気キャラクターやヒット商品が登場すれば、年齢を問わず大きな需要が生まれることもあります。
少子化は玩具業界にとって無視できない課題ですが、それだけを見て市場全体の将来を判断することはできません。
日本トイザらスにとっても、子ども向け玩具だけでなく、こうした幅広い需要をどの程度取り込めるかが重要になってくるでしょう。
大人向け玩具やキャラクター商品など子ども以外の需要もある
近年の玩具市場を語るうえで注目されているのが、大人による玩具・ホビー商品の購入です。
子ども心を持った大人を意味する「キダルト」という言葉を目にしたことがある人もいるでしょう。
日本玩具協会の資料でも、近年はキダルト層やインバウンド層などから支持される商品カテゴリーが市場拡大に貢献していることが示されています。
たとえばトレーディングカードは、子どもだけでなく大人にもコレクターや競技プレイヤーが存在します。
プラモデルやフィギュア、鉄道模型なども、大人の趣味として定着しているジャンルです。
ぬいぐるみやキャラクター商品についても、「子どもが遊ぶもの」とは限りません。
2025年度には、「モンチッチ」をはじめ、「スーパーマリオ」「星のカービィ」「ポケモン」などのキャラクターぬいぐるみが市場の伸びに寄与したと日本玩具協会は説明しています。
玩具市場の顧客は「子どものいる家庭」だけではなく、大人のファンやコレクター、訪日客などへ広がっていると考えることができます。
| 需要層 | 購入される商品の例 |
|---|---|
| 子ども | 知育玩具、キャラクター玩具、ゲーム、乗り物玩具など |
| 保護者・祖父母 | 誕生日、クリスマス、入学祝いなどのギフト |
| 大人のファン | フィギュア、プラモデル、トレーディングカードなど |
| コレクター | カード、限定商品、キャラクター商品など |
| インバウンド客 | 日本発キャラクター商品やホビー商品など |
これは日本トイザらスにとっても重要な市場変化です。
少子化によって子どもの人数が減るのであれば、従来の子ども向け玩具だけに依存するよりも、幅広い年齢層へ商品を届けることが重要になります。
一方で、玩具市場が伸びているからといって、その需要をトイザらスが自動的に獲得できるわけではありません。
トレーディングカードには専門店があり、フィギュアやプラモデルにも強い専門店があります。
さらに、メーカー公式ショップやECサイトなど購入経路も多様化しています。
つまり、市場が拡大していることは追い風になり得ますが、その市場のなかで「トイザらスを選ぶ理由」を作れるかが重要なのです。
ECが普及するなか実店舗にはどのような役割がある?
玩具市場そのものが拡大していても、商品を購入する場所は以前よりはるかに多くなりました。
現在はスマートフォンがあれば、欲しい商品の名前を検索して複数のショップの価格や在庫を簡単に比較できます。
そのため、価格や利便性だけで競争するのであれば、実店舗には厳しい面があります。
店舗を運営するには、賃料、人件費、光熱費、什器、在庫管理などさまざまなコストが発生するからです。
一方、実店舗だからこそ提供できる価値もあります。
特におもちゃの場合、商品を実際に見たときの大きさや質感、子どもの反応などはオンラインの商品ページだけでは完全に確認できません。
クリスマスや誕生日が近づいたときに、家族で売場を歩きながらプレゼントを探すこと自体が買い物体験になる場合もあります。
また、ベビーカーやチャイルドシートなどは、実物を見ながら比較したいというニーズも考えられます。
- 実際の商品を手に取って確認できる
- 子ども自身が商品を見ながら選べる
- 複数の商品をその場で比較できる
- 家族でプレゼントを探す体験を提供できる
- オンラインで判断しにくい大型商品を確認できる
- 商品によってはスタッフへ相談できる
こうした点は、実店舗を持つトイザらスの特徴になり得ます。
ただし、今後は「実店舗かECか」という二者択一ではなく、両方を組み合わせることがさらに重要になるでしょう。
消費者側から見れば、「オンラインで在庫を確認してから店舗へ行く」「ネットで注文して店舗で受け取る」「店舗で商品を見てからオンラインで購入する」といった買い方に明確な境界はありません。
実店舗とオンラインストアを別々の販売チャネルとして考えるのではなく、ひとつの買い物体験としてつなげられるかがポイントになります。
| ECの強み | 実店舗の強み |
|---|---|
| 24時間商品を探しやすい | 実物を確認できる |
| 自宅から注文できる | その場で商品を比較できる |
| 価格を比較しやすい | 子どもの反応を確認できる |
| 自宅へ配送してもらえる | 買い物そのものを家族で楽しめる |
| 検索から目的の商品を探しやすい | 予定していなかった商品と出会いやすい |
トイザらスにとっては、全国に実店舗を持つことを単なるコストではなく、EC専業事業者にはない強みに変えられるかが重要になります。
また、日本の玩具市場自体が拡大しているという事実も見逃せません。
日本トイザらスの業績が厳しい理由を「少子化でおもちゃが売れなくなったから」とだけ説明するのは、市場全体のデータを見る限り十分ではありません。
2025年度の国内玩具市場は過去最高を更新している一方、日本トイザらスでは前述したように2025年12月期の売上高が前年から減少しています。
この違いは、日本トイザらスの今後を考えるうえで非常に重要です。
市場そのものに需要が存在するのであれば、その需要をどの程度取り込めるか、競合するECや専門店との差別化ができるか、店舗への投資を収益につなげられるかが焦点になります。
「玩具市場がなくなるか」ではなく、「成長している玩具市場のなかでトイザらスがどのようなポジションを築けるか」という視点が必要でしょう。
では、日本のトイザらスは今後どうなるのでしょうか。
将来を断定することはできませんが、今後発表される数字や店舗の動きを見れば、事業の方向性を判断するための材料は増えていきます。
次は、日本トイザらスの今後を考えるうえで特にチェックしておきたい4つのポイントを整理します。
トイザらスは今後どうなる?チェックしておきたいポイント
ここまで見てきた情報を踏まえると、「結局、日本のトイザらスは今後どうなるの?」という疑問が残るでしょう。
現時点で将来を断定することはできませんが、日本トイザらスの今後を見るうえで特に注目したいのは、店舗網・業績・ECとの連携・店舗体験の4つです。
日本トイザらスには、現在も全国に店舗があり、新規出店などの動きも確認できます。
一方、前述した決算では売上高が前年を下回り、営業赤字や当期純損失も確認されています。
また、日本の玩具市場そのものを見ると、2025年度は過去最高の市場規模を更新しています。
つまり、「玩具そのものが売れなくなっているからトイザらスも厳しい」と単純に説明できる状況ではありません。
むしろ今後は、成長している市場の需要をトイザらスがどれだけ取り込み、売上と利益につなげられるかが重要になります。
| チェックポイント | 注目したい変化 |
|---|---|
| 店舗網 | 新規出店・閉店・移転と全国の店舗数 |
| 業績 | 売上高や営業損益が改善するか |
| EC | オンラインと実店舗の連携が進むか |
| 店舗体験 | ECや他店とは異なる来店価値を作れるか |
ひとつの数字だけを見るのではなく、これらを組み合わせて確認することで、日本トイザらスがどの方向へ進んでいるのかを捉えやすくなります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
新規出店・移転・閉店と店舗数の推移
まずチェックしたいのが、日本国内の店舗数です。
小売企業の動向を見るとき、「○○店が閉店した」「△△店がオープンした」という個別のニュースだけでは全体像がわからない場合があります。
重要なのは、出店と閉店の両方を見たうえで、店舗網全体がどのように変化しているかを確認することです。
たとえば、年間で5店舗が閉店したとしても、同じ期間に5店舗を新規出店・移転オープンしていれば、単純に「5店舗減った」と考えることはできません。
反対に、新店舗が数店オープンしていても、それ以上の閉店が続いていれば店舗網全体は縮小している可能性があります。
さらに、店舗数だけではなく店舗の「中身」にも注目したいところです。
大型店を閉店して小型店へ置き換えるケースと、同規模の店舗を別の商業施設へ移転するケースでは意味が異なります。
駅に近い商業施設へ出店するのか、郊外型ショッピングセンターを重視するのかによっても店舗戦略は変わります。
| 店舗情報 | 確認したいポイント |
|---|---|
| 新規出店 | どの地域・商業施設へ出店しているか |
| 閉店 | 単独の閉店なのか、近隣への移転を伴うのか |
| 移転 | 売場面積や立地がどのように変わったか |
| リニューアル | 売場やサービスがどのように変更されたか |
| 店舗数 | 中長期的に増加・維持・減少のどの傾向にあるか |
特に「トイザらスが日本からなくなるのでは?」と心配している人は、個別店舗の閉店情報だけに注目しがちです。
しかし、1店舗の閉店と、日本全国からトイザらスが撤退することはまったく別の話です。
今後も公式サイトなどで店舗数、新規出店、移転、閉店の動きをまとめて確認することが大切です。
売上だけでなく利益面が改善していくか
店舗の動き以上に重要なのが、今後の業績です。
特に注目したいのは、売上高だけではなく営業損益です。
商品が大量に売れて売上高が大きくても、仕入れや店舗運営、人件費などの費用が大きければ利益は残りません。
そのため、日本トイザらスが事業を安定的に継続していくうえでは、売上規模を維持・拡大することに加え、本業で利益を確保できる収益構造へ近づけるかがポイントになります。
前述したとおり、2025年12月期は売上高752億1,100万円に対し、営業損失27億8,800万円でした。
前年の2024年12月期は営業損失17億9,300万円だったため、2025年12月期は営業赤字が拡大しています。
今後の決算でこの営業赤字がどう変化するかは、注目したい指標のひとつです。
- 売上高の減少に歯止めがかかるか
- 営業赤字が縮小するか
- 営業黒字へ転換できるか
- 純損益が改善するか
- 純資産など財務面がどのように推移するか
たとえば、売上高が多少減少しても、店舗運営の効率化などによって営業損益が大幅に改善するケースは考えられます。
反対に、売上高を維持できても費用負担が増え、赤字が拡大する場合もあります。
「売上がいくらあるか」だけでなく、「その売上から利益を残せているか」を見ることが重要です。
もちろん、単年度の数字だけで将来が決まるわけではありません。
新規出店や店舗改装などの投資を行った年には、費用負担が大きくなる可能性もあります。
だからこそ複数年度の数字を並べ、改善傾向にあるのか、それとも厳しさが続いているのかを確認する必要があります。
ECと実店舗をどのように組み合わせるか
日本トイザらスの今後を考えるうえで、EC戦略も重要です。
消費者にとっては、もはや「おもちゃは玩具店へ行かなければ買えない」という時代ではありません。
Amazonや楽天市場などのECモールだけでなく、メーカーの公式オンラインショップや専門店など、購入先には多くの選択肢があります。
そこで実店舗を持つトイザらスに求められるのが、店舗とオンラインを競合させるのではなく、互いの強みを生かしてつなげることです。
たとえば、購入前にオンラインで商品の在庫を確認できれば、「店舗へ行ったのに欲しい商品がなかった」という不便を減らせます。
オンラインで注文した商品を店舗で受け取れる仕組みがあれば、自宅配送以外の選択肢も提供できます。
反対に、店舗で実物を確認した商品を後からオンラインで購入できれば、大型商品をその場で持ち帰る必要もありません。
| 利用場面 | 店舗とECを組み合わせるメリット |
|---|---|
| 購入前 | オンラインで商品や店舗在庫を探す |
| 比較 | 店舗で実物を見てサイズや使い勝手を確認する |
| 購入 | 店舗またはオンラインから都合のよい方法を選ぶ |
| 受け取り | 自宅配送や店舗受け取りなどを使い分ける |
このような仕組みが使いやすくなれば、全国に実店舗を持っていること自体がEC専業企業との差別化につながる可能性があります。
一方で、オンラインストアの使いやすさ、商品の探しやすさ、在庫情報、配送サービスなどで競争力を維持することも必要です。
「店舗があるからECに勝てる」「ECを強化すれば店舗はいらない」という単純な話ではなく、両方をどうつなぐかがポイントになります。
今後、日本トイザらスが店舗とオンラインをどのように一体化していくかは、継続して注目したいところです。
トイザらスならではの店舗体験を打ち出せるか
そして最後に注目したいのが、「わざわざトイザらスへ行く理由」を作れるかどうかです。
価格だけを比較するのであれば、消費者はスマートフォンから複数のECサイトを簡単に確認できます。
欲しい商品が最初から決まっている場合、価格と配送スピードだけで購入先を決める人もいるでしょう。
そうした環境で実店舗を運営するなら、商品を販売する場所という役割だけではなく、店舗へ足を運ぶ価値が重要になります。
玩具店は、ほかの小売店と比べても「体験」と相性のよい業態です。
子どもにとって、たくさんのおもちゃが並ぶ売場を歩くことそのものが楽しみになる場合があります。
保護者にとっても、子どもが実際にどの商品へ興味を示すのかを見ることで、プレゼント選びの参考になります。
また、人気商品の展示、体験イベント、季節ごとの売場づくりなどが充実すれば、ネット通販とは異なる価値を提供できます。
- 商品を実際に見たり触れたりできる売場
- 子どもが楽しめる体験型の仕掛け
- 誕生日やクリスマスなど季節に合わせた提案
- 豊富な商品を比較できる専門店ならではの品ぞろえ
- ベビー用品などを相談しながら選べる環境
- オンラインと連動した便利な購入方法
こうした要素を組み合わせることで、「価格だけならネットでも比較できるけれど、商品を選ぶときはトイザらスへ行きたい」と感じてもらえる可能性があります。
反対に、店舗へ行ってもECと同じように商品が並んでいるだけであれば、消費者が時間をかけて来店する理由は弱くなってしまいます。
今後のトイザらスにとって、店舗を単なる「商品を置く場所」から「商品との出会いや体験を提供する場所」へ変えていけるかは重要なテーマでしょう。
ここまでを整理すると、日本トイザらスの今後について現時点で「なくなる」「絶対に大丈夫」と断定することはできません。
一方で、今後を見るための材料はあります。
| 今後を見る材料 | 特に確認したいこと |
|---|---|
| 店舗 | 出店・閉店・移転を含めた店舗数の推移 |
| 決算 | 売上高と営業損益が改善するか |
| 市場 | 成長する玩具需要を取り込めるか |
| EC | 店舗とオンラインの利便性を高められるか |
| 店舗価値 | トイザらスへ行く理由を作れるか |
特に「店舗数」と「営業損益」の変化は、日本トイザらスの今後を考える際に継続して確認したいポイントです。
そして利用者の立場では、会社の将来だけでなく、「近所の店舗はどうなる?」「閉店情報はどこで確認すればいい?」という疑問もあるでしょう。
次は、トイザらスを実際に利用している人に向けて、閉店情報の見方やオンラインストアなどについて整理します。
トイザらスを利用している人が知っておきたいこと
日本トイザらスの今後が気になっている人のなかには、経営状況だけではなく、「いつも利用している店舗は大丈夫?」「閉店したらどこで買えばいい?」と心配している人もいるでしょう。
利用者の立場で特に覚えておきたいのは、個別店舗の閉店情報と、日本トイザらス全体の事業動向を分けて考えることです。
トイザらスでは店舗の営業終了が行われることがある一方、新しい店舗のオープンや移転なども行われています。
そのため、近所の店舗が閉店したとしても、その事実だけで「トイザらスが日本からなくなる」と判断することはできません。
また、実店舗以外にも公式オンラインストアが用意されているため、近隣に店舗がない場合でも商品を購入できる可能性があります。
重要なのは、SNSなどで流れてきた断片的な情報だけで判断せず、公式サイトの店舗情報や企業からの発表を確認することです。
| 気になること | まず確認したいこと |
|---|---|
| 近所の店舗が閉店する? | 公式サイトの店舗情報や店舗からのお知らせ |
| 別の店舗へ移転する? | 閉店案内と新店舗・移転オープンの情報 |
| 商品を買える場所がなくなる? | 近隣店舗と公式オンラインストア |
| 日本から撤退する? | 日本トイザらスの公式発表や企業情報 |
| 経営状況は? | 決算公告など公表されている一次情報 |
特に「閉店」「撤退」「倒産」といった言葉は注目されやすく、SNSなどでは情報が短く切り取られて広がることがあります。
だからこそ、何が正式に発表された事実で、何が予測や個人の見解なのかを分けて確認することが大切です。
ここからは、トイザらスを利用するうえで押さえておきたいポイントを具体的に見ていきます。
1店舗の閉店と日本事業からの撤退は分けて考える
近所のトイザらスが閉店すると知れば、「トイザらスそのものがなくなるのでは?」と不安になるかもしれません。
特に長期間営業していた大型店舗の場合、地域の利用者に与える印象は大きいでしょう。
しかし、特定店舗の閉店と、日本国内のトイザらスすべてが営業を終了することは意味が異なります。
小売業では、個別店舗の営業終了は珍しいことではありません。
商圏の変化、施設との契約、商業施設そのものの改装や閉館、店舗戦略の変更など、さまざまな要因が関係する可能性があります。
また、「閉店」と案内されても、近隣の別施設への移転を伴う場合があります。
そのため、閉店情報を見つけたときは、「閉店」という言葉だけを見るのではなく、その後の案内まで確認することが大切です。
- 営業終了日はいつなのか
- 移転オープンの予定はあるのか
- 近隣に別のトイザらスがあるのか
- 新しい店舗のオープン予定が発表されていないか
- 公式サイトではどのように案内されているか
さらに、全国の動向を見る場合は、ひとつの店舗ではなく複数の出店・閉店情報を確認する必要があります。
たとえば、自宅周辺で2店舗が閉店すれば「トイザらスが急速に減っている」と感じるかもしれません。
しかし、別の地域では新店舗がオープンしている可能性があります。
反対に、新店舗のニュースだけを見て「全国的に店舗が増えている」と判断することもできません。
自分が利用する店舗の情報と、日本トイザらス全体の動向は分けて確認すると、状況を正確に理解しやすくなります。
オンラインストアなど店舗以外の購入方法も確認する
近所のトイザらスが閉店した場合、「もうトイザらスでは買い物できないの?」と思う人もいるでしょう。
しかし、日本トイザらスでは実店舗だけでなく、公式オンラインストアも展開されています。
そのため、近くに店舗がない場合でも、オンラインで商品を探せます。
トイザらスは「実店舗だけの玩具店」ではなく、店舗とオンラインの両方で商品を販売しているという点を覚えておくとよいでしょう。
オンラインストアには、自宅から商品を探せるという大きなメリットがあります。
店舗まで距離がある場合や、小さな子どもを連れて買い物へ行くのが難しい場合にも利用しやすい方法です。
また、欲しい商品が決まっている場合は、店舗へ行く前にオンラインで商品情報を確認する使い方もできます。
| 購入方法 | 向いているケース |
|---|---|
| 実店舗 | 実物を確認したい、家族で商品を選びたい |
| 公式オンラインストア | 自宅から商品を探して購入したい |
| オンラインで確認して店舗へ | 事前に商品情報を調べてから実物を見たい |
| 店舗で確認してオンライン購入 | 実物を見たうえで後から購入方法を選びたい |
特にベビー用品や大型玩具などでは、「まず店舗で実物を確認したい」という人もいるでしょう。
一方、日用品や購入する商品が決まっている場合は、オンラインのほうが便利なこともあります。
利用者にとっては、店舗とオンラインのどちらか一方に限定せず、商品や状況によって使い分けるのが現実的です。
ただし、商品の取扱状況や在庫、配送条件、店舗受け取りなどのサービス内容は変更される可能性があります。
利用するときは日本トイザらス公式サイトで最新の条件を確認してください。
撤退や閉店の情報は公式発表を確認する
トイザらスの今後について検索すると、「閉店」「赤字」「撤退」「倒産」といった不安を感じやすい言葉が並ぶことがあります。
しかし、こうした情報ほど出どころを確認することが重要です。
SNSでは、「近所のトイザらスが閉店する」という事実が、いつの間にか「トイザらスが日本撤退するらしい」という話へ変化して広がる可能性もあります。
また、過去の米国トイザらスの経営破綻に関する記事が検索結果に表示され、それを現在の日本トイザらスのニュースだと誤解するケースも考えられます。
特に記事やSNSを見るときは、「いつの情報なのか」「米国の話なのか日本の話なのか」「企業自身が発表した情報なのか」を確認してください。
| 情報源 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 日本トイザらス公式サイト | 店舗情報、新規オープン、営業終了など |
| 日本トイザらスの企業情報 | 会社概要や現在の事業内容 |
| 企業のプレスリリース | 新規出店やサービス、事業上の発表 |
| 決算公告 | 売上高、損益、資産・負債など |
| 報道記事 | 発表内容の背景や業界動向 |
情報を確認するときは、できるだけ一次情報へたどることがポイントです。
たとえば「○○店が閉店する」という記事を見つけた場合、日本トイザらスの公式店舗ページにも案内があるか確認します。
「日本撤退」という情報であれば、企業から正式な発表が出ているかを見る必要があります。
また、ニュース記事の日付も重要です。
米国トイザらスが連邦破産法11条を申請したのは2017年であり、米国店舗の大規模な清算が進んだのは2018年です。
古いニュースを現在の出来事だと思ってしまうと、日本トイザらスの状況を誤って理解する原因になります。
「トイザらスは日本でどうなる?」という疑問に対して、現時点で最も重要なのは、過去のイメージではなく最新の日本事業の情報を見ることです。
ここまで確認してきたように、日本では現在も店舗やオンラインストアが展開され、新規出店の動きも確認できます。
一方、直近の決算では営業赤字や純損失が確認されており、業績面については今後の推移を見ていく必要があります。
また、国内玩具市場は過去最高規模へ拡大しているため、その需要をどれだけ取り込めるかもポイントになります。
「すぐ日本からなくなる」と断定する材料も、「今後も絶対に大丈夫」と保証する材料も、現在確認できる情報だけでは十分ではありません。
だからこそ、利用者としては個別店舗の営業情報と、日本トイザらス全体の経営・店舗戦略を分けながら最新情報を確認していくことが大切です。
まとめ:トイザらスが日本でどうなるかは今後の業績と店舗戦略に注目
「トイザらスは日本でどうなるの?」と心配している人にとって、まず押さえておきたいのは、現時点で日本のトイザらスがすぐになくなると決まっているわけではないという点です。
日本では現在もトイザらスの店舗やオンラインストアが展開されており、新規店舗のオープンなども確認できます。
一方で、すべてを楽観視できる状況ともいえません。
日本トイザらスの2025年12月期の決算では、売上高が前年から減少し、営業損失や当期純損失も計上されています。
そのため、今後について考えるなら、「店舗があるから大丈夫」「赤字だからなくなる」と一つの情報だけで結論づけないことが重要です。
また、過去に米国トイザらスが経営破綻し、米国内の店舗を閉鎖したことから、日本でも同じことが起きるのではないかと心配する人もいるでしょう。
しかし、当時の日本を含むアジア事業と米国事業では状況が異なり、日本のトイザらスはその後も営業を続けてきました。
米国で起きた出来事だけを根拠に、現在の日本事業の将来を判断することはできません。
そして、日本トイザらスを取り巻く市場にも注目する必要があります。
日本では少子化が進んでいますが、国内玩具市場は2025年度に1兆1,664億円となり、5年連続で過去最高を更新しています。
トレーディングカードやホビー、ぬいぐるみなど、子どもだけに限定されない需要も市場を支えています。
つまり、日本トイザらスにとって重要なのは、縮小する市場で生き残れるかだけではなく、拡大している玩具需要をどれだけ自社の売上と利益へつなげられるかという点でしょう。
この記事のポイントをまとめます。
- 現時点で、日本トイザらスがすぐになくなると決まっているわけではない
- 日本では現在もトイザらスの実店舗とオンラインストアが展開されている
- 2026年にも新規店舗のオープンが確認できる一方、営業終了する店舗もある
- 個別店舗の閉店と、日本事業全体からの撤退は分けて考える必要がある
- 2025年12月期は売上高が前年から減少し、営業赤字と当期純損失を計上している
- 赤字という事実だけで、直ちに日本撤退や全店舗閉鎖が決まるわけではない
- 過去に経営破綻した米国事業と日本事業をそのまま同一視することはできない
- 国内玩具市場は2025年度に過去最高規模を更新しており、大人向けを含む幅広い需要が存在する
- 今後は店舗数だけでなく、売上高や営業損益、ECとの連携、店舗体験などにも注目したい
- 撤退や閉店に関する情報はSNSだけで判断せず、日本トイザらスの公式発表など最新の一次情報を確認することが大切
トイザらスが日本で今後どうなるのかについて、現段階で将来を断定することはできません。
ただ、日本国内では店舗・オンラインストアの運営が続き、新規出店も行われている一方、近年の決算では収益面の課題も確認されています。
だからこそ、「なくなる」「絶対に大丈夫」という両極端な見方ではなく、今後の業績と店舗戦略を継続して確認することが重要です。
特に注目したいのは、売上高の減少に歯止めがかかるか、営業赤字を縮小できるか、新規出店や店舗改装が収益につながるかという点です。
さらに、過去最高規模となっている国内玩具市場で、トレーディングカードやホビーなど幅広い需要を取り込み、ECにはない実店舗の魅力を打ち出せるかもポイントになるでしょう。
近所の店舗について気になる場合は個別の店舗情報を確認し、日本事業全体について知りたい場合は公式発表や今後の決算を確認するなど、知りたい内容に合わせて最新情報を追っていくことが、トイザらスの現在地を正しく理解する近道です。
